溶血性貧血[ヨウケツセイヒンケツ]🔗⭐🔉振
溶血性貧血[ヨウケツセイヒンケツ]
【英】hemolytic anemia
【独】h
molytische An
mie
【仏】an
mie h
molytique
《同義語》溶血性黄疸hemolytic jaundice
溶血性貧血とは,赤血球の早期破壊亢進によって末梢血の赤血球数が減少し,その結果として貧血を招来する場合をいう.しかし,実際には,赤血球の破壊亢進があっても,赤血球造血能には約数倍の生理的な予備能があるために,その範囲内では溶血は代償されて,赤血球数は減少せず,貧血は生じない(代償された溶血).この予備能を超えて溶血亢進が認められる場合には,厳密な意味での溶血性貧血となる.したがって臨床像の主体は溶血性黄疸hemolytic icterusである.溶血の病因は,わが国では先天性疾患としては,遺伝性球状赤血球症*が最も高頻度で約7割を占め,残りを遺伝性楕円赤血球症*や諸種ヘモグロビン異常症や酵素欠乏症が占めている.後天性疾患としては,自己抗体*,とくに温式抗体による自己免疫性溶血性貧血*が最も多く,次いで冷式抗体による上記疾患や,発作性夜間ヘモグロビン尿症*,赤血球破砕症候群などがこれに続く.確診には,赤血球寿命短縮の確認や,末梢血赤血球形態なども大切である.




南山堂医学大辞典 ページ 7662 での【溶血性貧血[ヨウケツセイヒンケツ]】単語。