野兎病菌[ヤトビョウキン]🔗⭐🔉振
野兎病菌[ヤトビョウキン]
【ラ】Francisella tularensis
《同義語》フランシセラ
グラム陰性,偏性好気性の短桿菌であるFrancisella属の1菌種(この属にはもう2菌種, F.novicidaとF.philomiragiaがあるが,これらの病原性は不明).1912年, McCoyとChapinがアメリカTulare郡でハタリスより分離した(Bacterium tularenseと命名).わが国では大原が野兎病の病原体として分離した(大原‐芳賀菌,1925).その後,本属の研究者であるE.Francisの名をとり,F.tularensisと命名された.菌は多形性であり,極染色性を示す.鞭毛,莢膜,芽胞は無形成.発育にcystineまたはcysteineを要求し,これらを含んだブドウ糖血液寒天,卵黄培地に増殖するが,集落形成には2〜10日かかる.CO2も発育を促進する.菌体には,Brucella属と交差反応を示す共通抗原が存在する.→野兎病
南山堂医学大辞典 ページ 7600 での【野兎病菌[ヤトビョウキン]】単語。