薬物中毒[ヤクブツチュウドク]🔗⭐🔉振
薬物中毒[ヤクブツチュウドク]
【英】drug intoxication
ヒトまたは動物が,通常治療に使用されている薬物により,一時的もしくは持続的な障害をうけ,時には死亡に至る現象.薬物中毒の成因を2大別する. 1)体内での薬物絶対量の増大:これには,薬物の有する薬効薬理作用が必要以上に大きくなる場合(抗コリンエステラーゼ薬*)と,潜在的薬物毒性が量に応じて顕在化してくる(ストレプトマイシン*)場合がある.これら現象の機序には,一時的過大投与,薬物の蓄積性(ジギトキシン*),薬物相互作用により血漿タンパク結合性薬物の遊離(経口糖尿病薬),年齢や疾病による薬物代謝・排泄機能の低下(新生児とクロラムフェニコール)などがあげられる. 2)生体側の薬物感受性の増大:通常の投与量に対して,生体側の反応が過敏に現れる場合である.主な機序として,薬物アレルギー(ペニシリン*),ホルモン環境(甲状腺機能亢進とアドレナリンの作用),電解質(低カリウム血症*とジギタリス配糖体),遺伝的因子(サクシニルコリン)などがあげられる.
南山堂医学大辞典 ページ 7592 での【薬物中毒[ヤクブツチュウドク]】単語。