未分化癌[ミブンカガン]🔗⭐🔉振
未分化癌[ミブンカガン]
【英】undifferentiated carcinoma
【独】undifferenziertes Karzinom
《同義語》単純癌simple carcinoma, carcinoma simplex,退形成癌anaplastic carcinoma
癌腫であることは明らかであるが,癌細胞が未分化なために腺癌,扁平上皮癌*,移行上皮癌などいずれの組織型にも分類できないものをいう.したがって低分化癌*よりもさらに分化度が低く,単純癌,退形成癌(→退形成)などともいわれる.腫瘍細胞は小型円形ないし紡錘形,あるいは大型でしばしば巨細胞を交えた多形性に富むものが多い.一般に細胞異型が高度で,発育も速く転移をきたしやすい.予後不良である.肺癌取り扱い規約では,旧分類で単純癌と呼ばれたものは,小細胞癌*small cell carcinomaと大細胞癌large cell carcinomaに細分され,前者はさらに腫瘍細胞の形態により燕麦細胞型oat cell type(→燕麦細胞癌)と中間細胞型intermediate cell typeに分類された.大細胞癌はしばしば巨細胞を混じ,腫瘍細胞のほぼ30%以上が巨細胞で占められるものを巨細胞型giant cell typeとした.現在なお,胃癌,大腸癌,食道癌などの癌取り扱い規約には,未分化癌という名称を残しているものが多い.
南山堂医学大辞典 ページ 7352 での【未分化癌[ミブンカガン]】単語。