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慢性肝炎[マンセイカンエン]🔗🔉

慢性肝炎[マンセイカンエン] 【英】chronic hepatitis 【独】chronische Hepatitis 【仏】hpatite chronique 【ラ】hepatitis chronica 《同義語》慢性ウイルス性肝炎chronic viral hepatitis わが国では次のような肝組織診断基準(第11回犬山シンポジウム,1979)が用いられている.慢性肝炎とは,6ヵ月以上肝臓に炎症が持続,あるいは持続していると思われる病態である.組織学的には門脈域を中心とした持続性の炎症があり,円形細胞浸潤と線維の増生により,門脈域の拡大がみられ,活動性と非活動性に区分される.活動性ではpiecemeal necrosisが著明で,小葉内細胞浸潤と肝細胞の変性ならびに壊死(spotty necrosis, bridging necrosis)を伴う.非活動性では上記の変化はいずれも軽微である. 〔付則〕 1)ここにいう慢性肝炎とは,主としてウイルス性肝炎と想定されるものを対象としている. 2)著明なbridging necrosisを伴う活動性の慢性肝炎は急速に肝硬変に移行する頻度が高い. 3)慢性肝炎の中には,門脈域に円形細胞浸潤があるが,線維増生を伴わないものがあり,組織病変の進展がみられない場合はpersistent hepatitisとする. 4)活動性の一部は非活動性に移行するものもあり,またこの逆もあり得る.原因はB型,C型肝炎ウイルス持続感染によるものである.B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎では血中のHBs抗原は6ヵ月以上陽性で,HBc抗体が高力価を示す.C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎では,HCV抗体が持続陽性である.PCR〔法〕により血中ウイルスの存在を証明すれば確診できる.臨床的には6ヵ月以上,肝機能検査の異常や自覚症状の続くものをいう.

南山堂医学大辞典 ページ 7285 での慢性肝炎[マンセイカンエン]単語。