マスタード手術[マスタードシュジュツ]🔗⭐🔉振
マスタード手術[マスタードシュジュツ]
【英】Mustard operation
【独】Mustard-Operation
【仏】op
ration de Mustard
完全大血管転位症(大血管転位症*)に対する根治手術法で,Mustard(1964)により発表された.あらかじめ長方形の心膜パッチを採取しておき,右房切開後に心房中隔をすべて切除し,新しく心房中隔を心膜パッチを用いて作製する.上下大静脈からの静脈血を僧帽弁に誘導する心房内回路を作製し,肺静脈血は三尖弁を通り右心室から大動脈に流出させる.主としてI型がよい適応であるが,III型の肺動脈狭窄の軽度のもの,II型の閉塞性肺高血圧症のないものにも応用される.本術式では心房内結節,房室結節の損傷による刺激伝導障害,吻合法やパッチの大きさが不適当な際の大静脈流入部や肺静脈開口部の狭窄をきたさないような工夫が必要である(William Thornton Mustardはカナダの外科医,1914生).

南山堂医学大辞典 ページ 7240 での【マスタード手術[マスタードシュジュツ]】単語。