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膀胱腫瘍[ボウコウシュヨウ]🔗🔉

膀胱腫瘍[ボウコウシュヨウ] 【英】bladder tumor 【独】Blasentumor 【仏】tumeur de la vessie 【ラ】tumor vesicalis 膀胱腫瘍の95%以上は上皮性癌で移行上皮癌がその80%をしめる.扁平上皮癌腺癌がこれにつぐ.良性膀胱乳頭腫は少なく数%以下である.膀胱に発生する悪性腫瘍は他に肉腫があるが,これは小児に多く,横紋筋肉腫が多い.職業性膀胱癌industrial bladder cancerの原因物質には2-ナフチルアミン,ベンチジン,4-アミノジフェニルなどが知られている.またビルハルツ住血吸虫症や結石などの慢性炎症刺激,慢性感染なども膀胱癌発生と関連がある.50〜60歳代に好発し,性比では4〜5:1で男性に多い.発生部位は膀胱三角部や尿管口付近に多い.表在性癌の予後は良好であるが,浸潤性癌の予後は不良である.症状としては,無症候性血尿が最も重要な症状で約80%に認められる.また血塊や腫瘍による排尿障害をきたすことがある.二次感染や癌浸潤があれば膀胱炎症状をきたす.腫瘍が尿管口あるいは尿管に及ぶと水腎症をきたす.リンパ節転移が多く,血行性には肺が最も多く,肝,骨がこれにつぐ.診断は膀胱鏡検査によるが,生検にて分化度と浸潤などを知る.そのほか膀胱造影,排泄性腎盂造影,超音波検査,CTスキャン,双手診など行う.尿中細胞診もフォローアップやスクリーニングに用いられる.治療法としては,表在性癌に対しては経尿道的切除術や抗癌剤の膀胱内注入療法が主として行われ,浸潤癌に対しては膀胱全摘出(除)術が行われる.予後は悪性度と浸潤度が高いほど不良である.表在癌に対する経尿道的切除術の5年生存率は約80%,浸潤癌に対する膀胱全摘出術は約20%である.→膀胱癌

南山堂医学大辞典 ページ 7017 での膀胱腫瘍[ボウコウシュヨウ]単語。