扁平足[ヘンペイソク]🔗⭐🔉振
扁平足[ヘンペイソク]
【英】flat foot
【独】Plattfu
【仏】pied plat
【ラ】pes planus
足には,長軸(縦)方向のアーチと横軸方向のアーチとあり,長軸方向のアーチの主体をなすものは,踵骨,距骨,舟状骨,楔状骨および第1中足骨からなる足内側アーチである.このアーチが減少し消失してくるものを扁平足という.この扁平足には,先天性,外傷性,麻痺性などに分類されるが,もっとも問題となるのは,荷重によって起こる静力学的扁平足である.新生児では足底部の皮下脂肪が多いため,一見扁平足が存在するようにみえるが,実際はそうでない場合がほとんどである.扁平足があるか否かは,X線検査で荷重をかけた状態を撮影する必要がある.小児期の扁平足は,幼児期にまだ足の筋や靱帯などが十分強くないときに無理に立たせたり歩かせたりすることによって発生するとされている.しかし一般にはたとえこの時期に扁平足であっても,歩行によって筋力が強化されて正常にもどるものが大部分である.思春期の扁平足は,長時間の立ち仕事によって筋や靱帯の弱い人に発生するといわれており,初期には炎症,次いで拘縮,最後には〔変形性〕関節症*を引き起こすものである.扁平足は荷重時に外反を呈してくるので外反扁平足pes planovalgusとも呼ばれる.成人期以降の扁平足は,靱帯や筋の弱化に加えて体重増加が原因となって生ずるもので,足の浮腫と足痛をきたす.〔治療〕 足底板(arch support)や装具の使用,足の体操による筋力強化,手術などが行われる.

南山堂医学大辞典 ページ 6988 での【扁平足[ヘンペイソク]】単語。