〔変形性〕関節症[ヘンケイセイカンセツショウ]🔗⭐🔉振
〔変形性〕関節症[ヘンケイセイカンセツショウ]
【英】osteoarthritis(OA)
【独】Arthrosis deformans, Arthrose
【ラ】arthritis deformans
《同義語》変性関節疾患degenerative joint disease,骨関節症osteoarthrosis, degenerative arthritis, hypertrophic arthritis
関節に慢性の退行性変化および増殖性変化が同時に起こり,関節の形態が変化する疾患である.一次性変形性関節症と二次性変形性関節症に大別される.前者は中年以降にみられ,老化現象に加え,力学的ストレスが加わって発症する.後者は若年者にもみられ,関節の外傷,形態異常,疾患,代謝異常など明らかな原因を有するものに続発して生じるものである.病理学的には,関節軟骨は次第に摩耗,あるいは欠損し,骨が露出するようになる.一方血管の増生を伴って軟骨cartilageの肥大増殖,骨棘*形成をみる.その他滑膜synovialisの増生,関節包joint(articular)capsuleの肥厚,萎縮,遊離体の出現などがみられる.症状としては,関節のこわばり,次第に運動痛,関節可動域制限,関節の腫脹をみる.動作開始時に疼痛や軋轢音(あつれきおん)crepitationを伴うことがある.X線像では骨棘形成,関節裂隙の狭小化,あるいは消失,関節軟骨下骨の硬化,嚢胞形成などが認められる.治療には理学療法としての局所温熱療法,筋力強化や関節拘縮の予防を目的とした運動療法,さらに装具療法,薬物療法などが保存的に行われる.薬物療法としては,非ステロイド性消炎鎮痛剤投与,ステロイドの関節腔内注射などが行われる.病変が進行し,著しい機能障害を示すものに対しては,手術療法として,関節固定術*,関節形成術*,骨切り術*,人工関節置換術(→人工関節)などが行われる.
南山堂医学大辞典 ページ 6958 での【変形性】単語。