ファンコニー貧血［ファンコニーヒンケツ］ 【英】Fanconi's anemia 多発奇形を伴う先天性再生不良性貧血congenital aplastic anemiaである．常染色体性劣性遺伝と考えられているが，単発例も多い．貧血の発症は4〜6歳が多い．全血球が減少し，貧血と出血傾向を呈する．DNA修復の欠陥によって種々の染色体異常をきたす．先天奇形としては，母指欠損，橈骨の欠損または低形成，側弯症，先天股脱，皮膚の色素沈着，腎の無形成，重複腎盂，馬蹄腎，小頭症，知能発達遅延，小眼球症，低身長，下垂体不全，心奇形など多くのものがある．診断は，汎血球減少，皮膚色素沈着，多発奇形，染色体異常，骨髄低形成などで容易である．薬物療法に抵抗し，予後は不良である．悪性腫瘍の合併をみることも多い（Guido Fanconiはスイスの小児科医，1882生）．→再生不良性貧血