皮膚石灰〔沈着〕症[ヒフセッカイチンチャクショウ]🔗⭐🔉振
皮膚石灰〔沈着〕症[ヒフセッカイチンチャクショウ]
【独】Kalkablagerung der Haut
【ラ】calcinosis cutis
《同義語》石灰症(皮膚の)calcinosis cutis,calcifecation
本症には 1)限局性栄養障害性〔代謝性〕石灰沈着症, 2)汎発性栄養障害性〔代謝性〕石灰沈着症, 3)転移性石灰沈着症がある. 1)限局性栄養障害性石灰沈着症calcinosis dystrophica circumscripta:既存の母斑,上皮腫,外傷などに続発して,皮膚にカルシウム塩の沈着するもので,結節ないし局面を呈する. 2)汎発性栄養障害性石灰沈着症calcinosis dystrophica universalis:全身性強皮性,皮膚筋炎*,全身性エリテマトーデス*,リウマチ性関節炎,痛風*などに随伴してみられ,主として,指趾または四肢関節伸側に多数の硬い結節を生じ,のち膿瘍となり,破れて難治性瘻孔を生じ,粥状物質を排出する.自覚症状を欠くが炎症を起こせば疼痛がある.石灰沈着*は皮膚,皮下組織に起こるが,しばしば筋肉および腱にもみられる. 3)転移性石灰沈着症metastatic calcinosis:副甲状腺機能亢進症や腎機能障害などで高カルシウム血症*または高リン血症*をきたした結果,諸臓器組織に石灰沈着を生ずるもので,主に血管の中膜,腎,大関節周囲の軟部組織,心,胃,肺に起こり,皮膚や皮下組織に病変が起こることはきわめてまれである.
南山堂医学大辞典 ページ 6374 での【皮膚石灰症[ヒフセッカイチンチャクショウ]】単語。