脾腫[ヒシュ]🔗⭐🔉振
脾腫[ヒシュ]
【英】splenomegaly
【独】Milztumor, Splenomegalie
【仏】spl
nom
galie
脾臓が腫大した状態である.正常の脾臓は100〜150 gであるが,これがほぼ2倍になると脾腫として左季肋下に触知する.腹部エコーグラム,腹部CT,シンチグラムにより,より明確に知り得る.脾腫の原因として,炎症,うっ血,代謝異常,内分泌異常,溶血,腫瘍などがある.急性炎症に伴うものとしては,細菌感染,ことに腸チフスがよく知られている.ときに脾の膿瘍もみられる.伝染性単核症(EBウイルス感染症*)などのウイルス感染症でしばしば認められる.慢性炎症としては,結核,梅毒,マラリア,エキノコックスなど,特異な例として慢性関節リウマチ*によるフェルティ症候群*Felty's syndromeがあげられる.うっ血性脾腫の原因には肝硬変*,門脈血栓症,心不全などがある.代謝性疾患としては,アミロイドーシス*,ゴーシェ病*Gaucher disease,ニーマン・ピック病*Niemann-Pick diseaseなど.腫瘍性疾患としては,白血病*,悪性リンパ腫*,骨髄線維症など.自己免疫性溶血性貧血*,遺伝性球状赤血球症*,サラセミア*などの溶血性貧血*や悪性貧血*にもみられる.


南山堂医学大辞典 ページ 6257 での【脾腫[ヒシュ]】単語。