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B細胞[ビーサイボウ]🔗🔉

B細胞[ビーサイボウ] 【英】B cell 《同義語》Bリンパ球 B lymphocyte B細胞は,その発生・分化を胸腺に依存しておらず,抗体産生細胞(形質細胞)の前駆細胞に相当する細胞集団である.鳥類ではファブリキウス嚢内で分化・増殖するが,哺乳類では胎生期には肝の造血巣で,生後は主として骨髄の幹細胞より分化・増殖し末梢リンパ組織へ血行性に播種されていく.末梢リンパ組織ではリンパ節濾胞と髄索に,脾臓・腸管などではリンパ小節を中心として分布している.組織中のB細胞数は脾臓で約75%,扁桃や腸管にも約60%存在するが,末梢血,胸管中ではたかだか15%にすぎない.B細胞はT細胞と比べ再循環性に乏しく,寿命も一般に短い.B細胞は表面形質において,ナイロンウールに付着性がある.その細胞表面に免疫グロブリン分子を有し,抗原に反応するレセプターとして機能する.またFc受容体,補体第3成分(C 3)に対する受容体を有する.これらを検出する方法としてEAロゼット(EA rosett)およびEACロゼット(EAC rosett)形成能があり,これらはB細胞の検出方法として使用されている.B細胞膜抗原としてマウスではIa抗原やLyb抗原系などが存在する.B細胞はその細胞表面免疫グロブリン分子が抗原認識の受容体として存在しており,これによる抗原認識のシグナルに加え,T細胞依存性抗原の場合はヘルパーT細胞からのシグナルを受け抗体産生細胞へと分化していく.B細胞は表在性免疫グロブリンを有し,細胞質免疫グロブリンを欠くことにより前駆B細胞(pre-B)や抗体産生細胞と区別されていたが,免疫グロブリン遺伝子の解析の進歩により,V領域(可変領域)の遺伝子再構成や,IgMIgDの同時発現の機構,クラススイッチの機構が明らかにされつつある.また,その分化段階での遺伝子レベルの解析が急速に進んだことにより,B細胞の分化と免疫グロブリン遺伝子の発現が対比され詳しい解析が行われている.→免疫グロブリン免疫グロブリン遺伝子

南山堂医学大辞典 ページ 6242 でのB細胞[ビーサイボウ]単語。