複数辞典一括検索+

白血病[ハッケツビョウ]🔗🔉

白血病[ハッケツビョウ] 【英】leukemia 【独】Leukmie 【仏】leucmie 白血病とは血球生成組織の系統的かつ無制限の増殖を本態とする疾患で造血組織の悪性腫瘍とみなされる.臨床的には,末梢血中に通常は認められない異常血球が出現し,また骨髄をはじめとする全身諸臓器に白血病細胞の増殖浸潤をきたすため,正常造血の抑制による各種の感染・貧血・出血あるいは浸潤による各種の臓器障害を主徴とする.発生頻度は世界的に増加傾向にあり,近年はとくに高齢者における罹患率の増加が注目されている.白血病の成因として遺伝的要素,放射線や化学物質などの外的因子,ウイルス感染などがあげられるが,実際にはこれらが複雑にからみあって発生進展していくものと考えられている.ウイルス感染については,成人T細胞白血病(ATL)でレトロウイルス(ATLV)の感染がATL発症の一義的因子と決定されている.分類は白血病細胞の発生母地から骨髄性(myelocytic leukemia)とリンパ性(lymphatic leukemia)に二大別され,さらにそれぞれ急性と慢性に分けられる.急性白血病では白血病裂孔が認められる.近年はモノクローナル抗体(単クローン抗体)を用い細胞表面形質を検索することで白血病細胞が分化のどの段階にあるかを推定し病型分類に利用している.また,遺伝子の発現や再配列などの遺伝子レベルの解析も病型分類に応用されている.治療は化学療法,放射線療法,免疫療法,摘脾療法などを組み合わせて行うが,輸血や感染対策などの補助療法も重要である.骨髄移植も治療法として確立し,白血病のかなりの症例で治癒が期待されている.→白血病化学療法

南山堂医学大辞典 ページ 6044 での白血病[ハッケツビョウ]単語。