パーキンソン病[パーキンソンビョウ]🔗⭐🔉振
パーキンソン病[パーキンソンビョウ]
【英】Parkinson disease(PD)
《同義語》振戦麻痺paralysis agitans, shaking palsy,特発性パーキンソニズムidiopathic parkinsonism
中脳黒質のドパミン作動性神経細胞の変性脱落によって,神経終末がある線条体でドパミン不足をきたし,錐体外路性運動障害が出現する変性疾患で,静止時振戦*,筋強剛,動作緩慢*・無動,姿勢反射障害を四主徴とする.とくに,親指と示指で丸薬をこねるような振戦*(丸剤製造様運動pill-rolling movement)は本症に特徴的である.他に,仮面様顔貌*,瞬目減少,脂顔,小声で早口,前傾で四肢を屈曲した姿勢,小刻み歩行,すくみ足,突進歩行,方向転換困難などが出現し,便秘や排尿障害,低血圧などの自律神経症状も合併する.高齢者では痴呆の頻度が高い.補充療法であるL-ドパが著効し,ドパミン受容体刺激薬,抗コリン薬も有効である.病理学的には,中脳の黒質と橋の青斑核*のメラニン含有神経細胞の変性脱落と,残存神経細胞質内に出現する好酸性封入体(→レヴィー小体)が認められる.有病率は10万人当たり約100人である.病因は不明であるが,何らかの中毒物質の関与が推定されている.
南山堂医学大辞典 ページ 5982 での【パーキンソン病[パーキンソンビョウ]】単語。