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肺循環[ハイジュンカン]🔗🔉

肺循環[ハイジュンカン] 【英】pulmonary circulation 【独】Lungenkreislauf 【仏】circulation pulmonaire 《同義語》小循環petite circulation 右心房→右心室→肺動脈→肺静脈から左心房へ至るまでの循環回路で,肺内の毛細管は,肺胞面に接して,炭酸ガスを放出,酸素を取り込みガス交換を行う.大循環と比較して以下の特徴をもつ. 1)単一臓器(肺)に向かって血液を放出する, 2)血管抵抗が低く体循環の約1/6に相当, 3)左房圧の上昇で直ちに影響を受ける, 4)自律神経系の影響を受けやすい, 5)安静時には約1/4の血管床が開いているのみで,予備量が大である, 6)低酸素血症で,血管収縮を示す.肺循環内各部の血圧(mmHg)は,右房2.8(1〜5),右心室25 /4(17〜32 /1〜7),肺動脈25 /9(17〜32 /4〜13),平均肺動脈圧15(9〜19),肺毛細管圧9(4.5〜13),(各々平均値と正常range)とされる.またここを流れるいわゆる混合静脈血の酸素含有量は10〜16 mL/100 mL,酸素飽和度で75〜80%とされる.また100 mL血液中5 g以上(6.7 mL以上)の還元ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)が生ずると,チアノーゼを呈する.

南山堂医学大辞典 ページ 5911 での肺循環[ハイジュンカン]単語。