肺癌[ハイガン]🔗🔉

肺癌[ハイガン] 【英】lung cancer 【独】Lungenkrebs 【仏】cancer du poumon 【ラ】carcinoma pulmonum 《同義語》気管支原性〔肺〕癌bronchogenic carcinoma(cancer) 肺癌は気管支肺胞系の上皮細胞より発生する癌で,年々増加の傾向にある.肺癌の死亡数は,1950(昭25)年と75(昭50)年とでは約10倍以上増加し,訂正死亡率でも約6倍に増加している.〔病因〕 遺伝的素因,喫煙(扁平上皮癌小細胞癌),職業性因子(放射線,ニッケル,重クロム酸,石綿,ヒ素)などが関係する.〔組織分類と頻度〕 扁平上皮癌40%,腺癌40%,小細胞癌12%,大細胞癌7%,腺扁平上皮癌1%,その他となっている.〔症状〕 せき,痰,血痰,胸痛,呼吸困難,喘鳴などがあるが,症状の出現する以前に発見しなければむしろ遅いといえる.〔病型・病期分類〕 肺癌の進展はTNM分類(T:腫瘍,N:リンパ節転移,M:遠隔転移)により分けられ,臨床病期はI〜IVに分けている.〔肺癌の進展・転移〕 血行性,リンパ行性,隣接性進展がある.小細胞癌は転移の頻度は高く,リンパ行性に肺門・縦隔,血行性に全身転移をきたす.腺癌も血行性に全身転移を起こしやすく,末梢発生腺癌は胸腔内への散布から癌性胸膜炎を起こしやすい.扁平上皮癌は転移は他の組織型に比して少ない.肺尖部に発生し肺外に向かって進展すると上腕神経痛やホルネル症候を示す(Pancoast型肺癌).〔肺外症候(随伴症候)〕 肺癌に伴う諸症状で, 1)ACTH分泌によるクッシング症候群,SIADH,カルチノイド症候群高カルシウム血症女性化乳房などの内分泌症状, 2)神経症状(脳・小脳症状),Lambert-Eaton症候群, 3)ばち状指皮膚筋炎など.〔予後〕 5年生存率は病期の進んだものほど悪く,組織型では扁平上皮癌と腺癌20%,大細胞癌12%,小細胞癌5%以下である.治癒手術例45%であるが,化学療法あるいは放射線照射のみの例は5%以下である.〔治療〕 手術可能例の予後が最もよい.小細胞癌は放射線や化学療法の感受性は高く,扁平上皮癌は放射線に感受性が高い.腺癌はこのいずれよりも感受性は低い.化学療法や放射線療法中には,骨髄抑制や感染症に注意する. →表1 →表2

南山堂医学大辞典 ページ 5888 での肺癌[ハイガン]単語。