膿尿[ノウニョウ]🔗⭐🔉振
膿尿[ノウニョウ]
【英】pyuria
【独】Pyurie
【仏】pyurie
【ラ】pyuria
尿中に白血球*が多数混入したものを膿尿と呼び,尿路・性器(前立腺)に感染症が存在することを示す重要な所見である.正常人でも顕鏡すれば1視野に4〜5個の白血球を認めることがあり,尿のアルカリ性が強ければ白血球は破壊されることがある.一般に黄白色に混濁しているが赤血球が同時に混入しておれば赤味を帯び血膿尿となる.尿路結核の場合は米のとぎ汁様の膿尿がみられるのが特徴であり,単染色やグラム染色では菌が証明されず,いわゆる無菌性膿尿sterile pyuriaと呼ばれる.抗酸菌染色acid-fast stainを行えば赤染した結核菌を認めることができる.膿尿の証明は顕鏡により確実となるがスクリーニング法としてドンネ試験Donn
's testがある.尿約5 mLを試験管にとり,10%苛性カリ液を数滴滴下し強く振盪する.膿尿であれば膠様硝子体様小塊をつくり,発生した泡が試験管内に停滞すれば陽性とする.初期膿尿は前部尿道,終末時膿尿は後部尿道と前立腺,全膿尿は膀胱と上部尿路の感染を疑う.

南山堂医学大辞典 ページ 5838 での【膿尿[ノウニョウ]】単語。