尿路感染症[ニョウロカンセンショウ]🔗⭐🔉振
尿路感染症[ニョウロカンセンショウ]
【英】urinary tract infection(UTI)
【独】Harnwegsinfektion
【仏】infection urinaire
腎,尿管,膀胱,尿道など,尿路の感染症の総称.特異性尿路感染症と非特異性尿路感染症に大別されるが,単に尿路感染症といった場合には,通常,非特異性尿路感染症を意味する.尿管の非特異性感染症はまれであり,また尿道炎は別個に扱うことが多いため,一般には腎盂腎炎(急性腎盂腎炎*)と膀胱炎*の総称と考えてよい.経過により急性と慢性に,また基礎疾患の有無により単純性と複雑性に分けられるが,一般に基礎疾患のない単純性尿路感染症は急性に経過し,女性,とくに20〜30歳代に多い.複雑性尿路感染症complicated urinary tract infectionは一般に慢性に経過し,むしろ男性,とくに高齢者に多い.〔原因〕 腸内細菌科のグラム陰性桿菌が多いが,単純性では大腸菌,肺炎桿菌,変形菌など,複雑性ではこれ以外にセラチア,エンテロバクター,シトロバクター,緑膿菌なども原因となる.グラム陽性のブドウ球菌,腸球菌なども原因となり得る.感染経路としては上行性感染が最も一般的である.〔発症要因〕 冷え,過度の排尿自制,尿流の停滞,経尿道的操作などがあげられる.〔主要症状〕 腎盂腎炎では発熱,腰痛など,膀胱炎では頻尿,排尿痛,残尿感など.尿は一般に混濁し,尿沈渣の鏡検で1視野(400倍)5個以上の白血球(膿尿*),また尿の培養で1 mL中105個以上の細菌を認める.〔治療〕 抗生物質などによる抗菌化学療法が主体であるが,複雑性尿路感染症では基礎疾患に対する治療も重要である.
南山堂医学大辞典 ページ 5723 での【尿路感染症[ニョウロカンセンショウ]】単語。