ウイルス性肝炎[ウイルスセイカンエン]🔗⭐🔉振
ウイルス性肝炎[ウイルスセイカンエン]
【英】viral hepatitis
【独】Virushepatitis
【仏】h
patite
virus
肝炎ウイルスの感染による肝臓の炎症で,急性肝炎*と慢性肝炎*とがある.起因ウイルスには,A型,B型,C型,D型,E型が確認されている.A型とE型は経口感染し,B型,C型,D型は血液を介して感染する.すべての型が急性肝炎を起こし,B型,C型は慢性肝炎患者に持続感染している.D型は常にB型と共存する.急性肝炎では発症初期にはウイルス感染症としての全身性の症状が前駆し,次いで,食欲不振,全身倦怠感,悪心,嘔吐,黄疸などの肝炎症状が出現する.軽症のものでは症状が自覚されないこともある(不顕性肝炎inapparent hepatitis).肝機能所見としては血清トランスアミナーゼの著しい上昇と多くの場合,血清総ビリルビン(直接型優位)の上昇をみる.A型肝炎ウイルス*やB型肝炎ウイルス*による急性肝炎は慢性化することはないが,C型肝炎ウイルス*によるものは遷延化ないし慢性化する頻度が高い.慢性肝炎はB型, C型肝炎ウイルスによるもので,臨床的には6ヵ月以上,肝機能異常や自覚症状のあるものである.なお,起因ウイルスの研究は日進月歩しA〜E型以外(G型など)も報告されている.


南山堂医学大辞典 ページ 534 での【ウイルス性肝炎[ウイルスセイカンエン]】単語。