ウィダール反応[ウィダールハンノウ]🔗⭐🔉振
ウィダール反応[ウィダールハンノウ]
【英】Widal reaction
【独】Widal-Reaktion
【仏】r
action de Widal
《同義語》グルーベル・ウィダール反応Gruber-Widal reaction,ウィダールテストWidal test
腸チフス*,パラチフス*の血清学的診断法. GruberおよびDurham(1896)は伝染病患者の血清の中に,その病原菌に対する凝集素(特異抗体)のあることを発見し,Widalはそれを診断に利用した.したがって,Gruber-Widal反応ともいう.患者の血清を生理食塩液で倍数希釈し,そこに腸チフス,パラチフスAおよびBの3種の死菌液をそれぞれ混和,反応(抗原抗体反応)させ,その凝集を観察し,凝集のみられる血清の最大希釈倍率をもって凝集素価(抗体価)とする.この反応はしばしば類属反応を呈し,また腸チフス以外の熱性疾患でも凝集素価が上昇することがあるので,この成績のみで診断を下すことはできない.発病第1週の終わり頃から患者の血清の中には凝集素が生じ,第3週には最高に達する.したがって,早期診断の目的には沿わないが,経過を追って検査をくり返し,凝集素価の動きを追えば,診断上の参考となる(Georges Fernand Isidore Widalはフランスの医師,1862-1929;Maximilian Franz Maria von Gruberはオーストリアの細菌学者,1853-1927).

南山堂医学大辞典 ページ 524 での【ウィダール反応[ウィダールハンノウ]】単語。