複数辞典一括検索+

DSM-IV[ディーエスエム4]🔗🔉

DSM-IV[ディーエスエム4] 【英】Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th edition 《同義語》精神疾患の診断と分類の手引き 1994年にアメリカ精神医学会が刊行した「精神障害の診断と統計の手引き」第4版.1980年に刊行された同第3版(DSM-III)は,従来の特定の原因や理論による分類を排して,実証的な知見以外は症候学的記述に徹して精神疾患を記述分類し,個々の診断カテゴリーには量的な基準(例えば症状の持続期間)も含む操作診断基準を採用した画期的なものであった.また個々の患者の臨床的評価には,I・II軸の臨床症候群,III軸の身体状態,IV軸のストレス強度,V軸の社会適応水準によって多面的に評価する多軸診断システムを導入した.種々の批判もあったが,操作診断基準の使用は急速に普及した.その後,1987年に第3版改訂(DSM-III-R,1987)が刊行されたが,DSM-IV作成実行委員会によって,徹底した文献の総説,既存のデータベースの検討,広範なフィールドトライアルの結果と,国内外の専門家の意見に基づき,またWHOのICD-10精神と行動の障害との調和も考慮して,大幅に改訂された.精神疾患を記述的類似性,病因,発症年齢に基づいて16の大きな群に分類し,個々の診断カテゴリーについては,臨床症状,亜型,随伴症状・検査所見,文化・年齢・性別特徴,有病率,経過,臨床遺伝的知見の最新の知見が系統的に記述され,次に鑑別診断対象カテゴリーと診断基準が記述されている.V軸診断は踏襲されたが,IV軸は,心理社会的・環境的問題となり,その強度でなく問題の分野が記述されることになった.

南山堂医学大辞典 ページ 5094 でのDSM-IV[ディーエスエム4]単語。