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腸液[チョウエキ]🔗🔉

腸液[チョウエキ] 【英】intestinal juice 【独】Darmsaft 【仏】suc intestinal 【ラ】succus entericus 消化管内腔に分泌される液の内で,小腸(とくに空腸・回腸)および大腸から分泌される液をさす.アルカリ性電解質液で,各種消化酵素,粘液を含む.電解質組成および浸透圧は血漿のそれに近い.ただし下部小腸ではCl濃度は減少してゆき,それにかわってHCO濃度が増加する.神経刺激や機械的・化学的刺激によって分泌が亢進する.十二指腸からの分泌液は十二指腸液と呼ばれ,十二指腸腺(ブルンネル腺Brunner's glands)から分泌される粘稠度の高い液である.アミラーゼペプチダーゼエンテロキナーゼその他の酵素を含む.小腸腺窩の腸腺(リーベルキューン腺Lieberkuehn's glands)より分泌される液を小腸液と呼ぶ.多くの消化酵素を含むが,これらは実際には剥離した上皮細胞や膵液の混入に由来するものと考えられる.大腸腺窩より分泌される大腸液には粘液が多く含まれ粘稠度が高い.しかしこの粘液は腺窩部のみならず絨毛部にも存在する杯細胞より分泌されたものである.

南山堂医学大辞典 ページ 4968 での腸液[チョウエキ]単語。