インスリン非依存性糖尿病[インスリンヒイゾンセイトウニョウビョウ]🔗⭐🔉振
インスリン非依存性糖尿病[インスリンヒイゾンセイトウニョウビョウ]
【英】non-insulin dependent diabetes mellitus(NIDDM)
《同義語》II型糖尿病type II diabetes mellitus,成人発症型糖尿病adult-onset type diabetes mellitus
インスリン依存性糖尿病*(IDDM)以外のほとんどの糖尿病がこの定義に含まれるので,原因を異にするが糖代謝異常の病態が類似する症候群である.わが国での糖尿病患者の97%以上を占める.近年有病率は増加の一途をたどり,1990年代で数百万人に達している.糖代謝異常はグルコースに対するインスリン分泌低下とインスリンの標的細胞でのインスリン感受性の低下に起因するが,いずれが先行するか明らかでない.本症の一卵性双生児の一致率はIDDMより高く,ほぼ100%である.これらの機能不全に関与する複数の遺伝子異常があると推定され,一部の遺伝子異常が明らかにされているが,肥満,ストレス,運動不足などの環境因子の関与も明らかである.中年に発症し,緩徐に進行し,ケトーシス(ケトン血症*)傾向を欠如し,インスリン治療を必ずしも必要としない.罹病期間が5年を経過すると,神経障害,網膜症,タンパク尿などの合併症が漸次増加し,患者の1/3〜1/4が増殖網膜症proliferative retinopathyないし腎不全*に至る.
南山堂医学大辞典 ページ 486 での【インスリン非依存性糖尿病[インスリンヒイゾンセイトウニョウビョウ]】単語。