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胆嚢炎[タンノウエン]🔗🔉

胆嚢炎[タンノウエン] 【英】cholecystitis 【独】Cholezystitis 【仏】cholcystite 【ラ】cholecystitis ほとんどの症例で胆石を合併している.〔発生機序〕 胆石による機械的刺激の存在下に,胆汁酸を中心とした化学物質により炎症が生じ,さらに細菌感染が炎症を増強すると考えられている(→無石胆嚢炎).〔病理〕 急性と慢性に分かれる.〔A〕 急性胆嚢炎acute cholecystitis. 1)漿液性胆嚢炎serous c.(カタル性胆嚢炎):粘膜固有層に軽度炎症所見をみる. 2)化膿性胆嚢炎purulent(suppurative)c.:胆嚢胆汁は混濁,膿状を呈し,胆嚢壁は浮腫状に腫脹し,粘膜固有層の炎症も強いが,筋層・漿膜下層は比較的よく保たれている. 3)壊疽性胆嚢炎gangrenous c.:胆嚢頚部の胆石嵌頓などで胆嚢の循環障害が加わり生ずる.炎症はさらに高度で胆嚢壁の壊死巣がみられ,しばしば胆嚢穿孔をきたす.急性胆嚢炎の特殊型として急性気腫性胆嚢炎acute gaseous(emphysematous)c.がある.これはガス産生能を有するClostridium welchii, Escherichia coli, anaerobic streptococciなどの細菌による胆嚢炎で,胆嚢壁とその内外にガスを生じ,腹部単純写にて胆嚢部に特異なガス像をみる.病状は一般の胆嚢炎よりも激烈である.〔B〕 慢性胆嚢炎chronic c.:ごく軽度の炎症から,高度の胆嚢壁肥厚,瘢痕化をみるものまである.まれには瘢痕化した胆嚢壁にびまん性に石灰が沈着し,磁器様胆嚢porcelain gallbladderと呼ばれる.〔症状〕 急性胆嚢炎では発熱,右季肋部痛を呈す.発熱は悪寒戦慄を伴い,右季肋部痛は右肩へ放散することが多い.胆嚢を触知する場合は胆嚢頚部の胆石嵌頓が多い.高度黄疸合併例では総胆管結石合併が多いが,総胆管に結石がなくとも軽度の黄疸をみることがある.高齢者の場合は,症状が顕著でないのに病状は重篤な例が多い.慢性胆嚢炎では一般に症状は軽い.〔診断〕 症状に加えて胆嚢造影陰性所見,あるいは超音波検査上胆嚢壁肥厚所見がみられる.慢性の場合には胆嚢収縮不良のことも多い.鑑別には急性例では上腹部急性腹症,慢性例では胆嚢癌に注意.〔治療〕 緊急手術例を除いてまず保存療法を行う.抗生物質は起因菌として頻度の高い大腸菌やKlebsiella,あるいは嫌気性菌に有効な,胆汁移行性のよいものを用いる.症状が悪化する場合は,時期を失することなく手術に踏み切る.

南山堂医学大辞典 ページ 4842 での胆嚢炎[タンノウエン]単語。