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胆道感染症[タンドウカンセンショウ]🔗🔉

胆道感染症[タンドウカンセンショウ] 【英】inflammatory disease of biliary tract 【独】Gallengangsentzndung 胆嚢炎胆管炎(胆道炎inflammation of biliary tract)は合併する場合が多く,両者をあわせて胆道感染症と呼ばれる.大部分が細菌感染によるものであり,胆石症や胆道腫瘍,胆道ジスキネジーなどによる胆汁うっ滞が引き金となって腸内細菌叢から上行性に感染を生ずるが,ほかの感染経路として血行性やリンパ行性も考えられている.原因菌としては50〜80%がEscherichia coliであり,次いでKlebsiellaが重要であり,ほかにEnterobacterProteusPseudomonasなどが検出されることもある.臨床症状としては悪寒戦慄を伴う発熱,右季肋部から心窩部にかけての疼痛,また黄疸を伴うこともある.特に胆管炎では上記症状は増強し,重症になると見当識の低下,意識障害,ショック症状を伴い急性閉塞性化膿性胆管炎acute obstructive suppurative cholangitis(AOSC)と呼ばれる状態になる.胆道感染症の治療としては安静,輸液,鎮痛薬,鎮痙薬投与に加えABPCやセフェム系を主とする抗生物質投与が主体となるが,症状の重篤な場合は胆嚢ドレナージや胆管ドレナージが必要となる.急性期が過ぎてからは基礎疾患の治療を行うことも必要である.

南山堂医学大辞典 ページ 4834 での胆道感染症[タンドウカンセンショウ]単語。