インスリン依存性糖尿病[インスリンイゾンセイトウニョウビョウ]🔗⭐🔉振
インスリン依存性糖尿病[インスリンイゾンセイトウニョウビョウ]
【英】insulin dependent diabetes mellitus(IDDM)
《同義語》I型糖尿病type I diabetes mellitus,若年発症型糖尿病juvenile-onset type diabetes mellitus
多く急速に発病し,ケトーシスketosis(ケトン血症*)を呈し,インスリン*治療を必須とする糖尿病.発病は25歳以下に多く,地域,季節,年代により頻度に差がある.高リスク群の発症率は約3〜5%,低リスク群は約0.3%である.一卵性双生児の一致率は50%であるが,まったく家族歴を有さない例が90%である.血清中にGDAなどの自己抗原やICA*,IAA,抗64KD抗体などの自己抗体が存在する.成因として遺伝とウイルスによる感染の関与が考えられる.IDDMを誘発する遺伝子はヒトではHLAと呼ばれる主要組織適合遺伝子複合体*(MHC)にあり,白人ではDR 3, DR 4と,日本人ではB 44, B 54, DR 4, DR 9に本症との相関を認める.ウイルス感染などで破壊された膵β細胞からの自己抗原をマクロファージがHLA分子と連合してヘルパーT細胞に渡すと,ヘルパーT細胞が活性化され,膵島炎を惹起し,膵β細胞を破壊する.近年,免疫抑制剤*による治療が試みられている.
南山堂医学大辞典 ページ 482 での【インスリン依存性糖尿病[インスリンイゾンセイトウニョウビョウ]】単語。