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多発性硬化症[タハツセイコウカショウ]🔗🔉

多発性硬化症[タハツセイコウカショウ] 【英】multiple sclerosis(MS) 【独】multiple Sklerose 【仏】sclrose en plaques 脱髄疾患の一種で,中枢神経系の白質に大小さまざまの脱髄巣が散在し,その病巣もまた新旧さまざまなのを特徴とする.病巣は側脳室周囲,視神経,脳幹,脊髄などの白質に好発する.組織学的には髄鞘が破壊され,軸索,神経細胞は侵されない.脱髄巣は早期には炎症性細胞浸潤があるが,慢性期になるとグリア線維でおきかえられて硬くなる.緯度の高い地方に多発する傾向があり,急性型多発性硬化症では同心円型脱髄巣を形成することがありバロー同心円硬化症Balo's concentric sclerosisと呼ぶ.有病率は欧米では10万人あたり30〜80人であるが,わが国では1〜5人程度にすぎない.臨床症状は視神経炎,複視,眼振などの眼球運動障害,痙性麻痺,有痛性強直性痙攣発作painful tonic seizure,レルミット症候群 Lhermitte syndrome(→レルミット徴候),失調症,言語障害,膀胱直腸障害などの症状がいろいろな組み合わせで出現し,しかも寛解を示すことに特徴がある.CTや核磁気共鳴法などによって脱髄巣を証明し得るほか,髄液の免疫グロブリン,感覚誘発電位などに異常所見をみることが多い.原因は不明であるが自己免疫疾患説,感染説などが唱えられている.→視神経脊髄炎症候群

南山堂医学大辞典 ページ 4756 での多発性硬化症[タハツセイコウカショウ]単語。