大動脈弁狭窄症[ダイドウミャクベンキョウサクショウ]🔗🔉

大動脈弁狭窄症[ダイドウミャクベンキョウサクショウ] 【英】aortic stenosis(AS) 【独】Aortenstenose 【仏】rtrcissement aortique 大動脈弁の収縮期開口が種々の原因により不十分となるものをいう.原因はリウマチ性心内膜炎が減少し,老人では石灰化大動脈弁狭窄calcified aortic stenosisが多い.先天性大動脈二尖弁bicuspid aortic valveを基盤に石灰化の加わるものもある.〔病理〕 リウマチ性は交連部癒合を生じ,石灰化ではヴァルサルヴァ洞底部から弁尖に石灰化を生ずる.本症では左室から大動脈への駆出が妨げられるので左室圧は上昇し,左室肥大を生じ,一方左室筋のエネルギー需要・酸素消費の増大に伴い相対的冠不全を生ずる.〔症状〕 代償不全に陥ると狭心症,めまい,失神,呼吸困難などを生じ,時に急死する.心尖拍動は抬起性で,第2肋間胸骨右縁で粗い駆出性収縮期雑音を聴き,頚動脈方向に放散する.II音大動脈成分は消失するか,微弱となり肺動脈成分より遅れて奇異性分裂paradoxical splittingを生ずる.脈拍は細小で,定型的な遅脈pulsus tardusを呈する.〔診断〕 頚動脈に放散する駆出性収縮期雑音と遅脈による.心電図は左室肥大,胸部X線像は左第4弓の膨隆,心音図でII音の変化を確認する.心エコー図では狭窄した弁口,石灰化の部位を証明しうる.頚動脈波はピークの遅れを認める.〔予後〕代償期は長いが,心不全,狭心症,失神発作を生ずると平均3〜5年で死亡する.治療は原因にかかわらず,安静,強心利尿薬を用い,時に硝酸薬を併用するが,内科的治療に抵抗し,上記3症状が出現すれば人工弁置換術が必要となる.

南山堂医学大辞典 ページ 4655 での大動脈弁狭窄症[ダイドウミャクベンキョウサクショウ]単語。