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〔胎〕児心音[タイジシンオン]🔗🔉

〔胎〕児心音[タイジシンオン] 【英】fetal heart sound(tones) 【独】Kindesherztne 【仏】bruit du coeur foetale 【ラ】soni cordis fetus 胎動とならぶ胎児生存の徴候として古くから注目されてきた.トラウベ聴診器*Traube's stethoscopeを用いると母体腹壁上での聴取が妊娠18週ごろから妊娠24週にかけて可能になるが,初めは弱く,次第に強い音に変わっていく.昔は児心音の聴取が胎児生存の確認には欠かせない手段であった.また児心音を聴取して心拍数heart rateの測定をその都度行っていた.その後,超音波検査により児心拍fetal heart beatの早期検出ができるようになってその意義を減じた.また,心音としての聴取ではなく,心音信号をもって心拍数測定の原信号とするために装置の一部に組み込まれた形で今日の心音計がある.しかし,児心音には収縮期,拡張期の雑音を伴うことがあり,これらが診断情報となることも知られているなど,児心音聴取や児心音図記録が有する胎児情報としての意義は決して見逃せない.

南山堂医学大辞典 ページ 4598 での単語。