胎芽病[タイガビョウ]🔗⭐🔉振
胎芽病[タイガビョウ]
【英】embryopathy
【独】Embryopathie
【仏】embryopathie
《同義語》胎児障害
器官形成期になんらかの原因で分化が抑制されると,器官原基の異常をきたして無形成,形成不全,低形成などが発生する.胎芽病の原因は,感染,放射線,化学薬品,抗体,栄養障害,低酸素などの環境因子と,染色体異常,遺伝子異常などの遺伝的因子に分かれる.環境因子が器官形成活発な時期に作用すると奇形を発生しやすく,この時期を臨界期と呼ぶ.薬剤ではサリドマイドによるアザラシ状奇形(アザラシ肢症phocomelia),ジエチルスチルベステロールによる女児性器奇形,テストステロンによる女性胎児の男性化などが知られている.放射線による障害は10レム(0.1Sv)以上で起こるとされているが,妊娠と診断された後の女子の腹部の照射は,1レム(0.01Sv)以下と規定されている.染色体異常には,21-トリソミーであるダウン症候群*Down's syndrome,X 0のターナー症候群*Turner's syndromeなどがあり,流産胎児の60%には染色体異常がみられるという.三倍体などの重症な胎芽病は流産におわるため出生時の頻度は低くなる.
南山堂医学大辞典 ページ 4576 での【胎芽病[タイガビョウ]】単語。