体外衝撃波結石破砕術[タイガイショウゲキハケッセキハサイジュツ]🔗⭐🔉振
体外衝撃波結石破砕術[タイガイショウゲキハケッセキハサイジュツ]
【英】extracorporeal shock wave lithotripsy(ESWL)
腎ならびに上部尿管結石の治療法の一つで,皮膚切開を加えることなく,体外より結石に衝撃波を当てて破壊し,尿流と共に排泄させる方法である.現在,臨床的に広く世界に用いられているのは,1983年より商品化された旧西ドイツDORNIER社製のものである.その原理は,水中で10〜30 kVの高電圧のsparkを発生させると,その周囲の水温が急激に上昇すると共に膨張してshock waveを発生する.これを体内の結石に何回も集中的に当てると結石は破壊され遂には2mm以下の細片となってしまうことによる.したがって患者は温水槽の中で治療を受けることになるが,硬膜外麻酔*が通常行われる.衝撃波の回数は,結石の大きさにもよるが数百回から2千回以上とさまざまであり,またそれに要する時間もいろいろであるが,過半数は30分以内である.細片となった結石の排泄は翌日よりみられるが,2ヵ月間で約半数が完全に排出される.排泄された結石の成分は,リン酸カルシウムが主で,炭酸カルシウムが次いで多く,シュウ酸カルシウムがわずかに認められる.副作用は,血尿は全例にみられるが,その他は疼痛と発熱で,それぞれ10%余りである.入院期間は数日間のみで可である.本手技は,すべての結石にそのまま適応されるわけではなく,L4以下のものや腎実質性結石,腎杯憩室結石とか,極度の肥満者や矮小体幹の者などは適応外である.しかし今後,種々改良が加えられ,また方々で開発されているので,これからますます発展し,尿路結石*治療の主流になるものと思われる.→経皮的腎尿管切石術
南山堂医学大辞典 ページ 4574 での【体外衝撃波結石破砕術[タイガイショウゲキハケッセキハサイジュツ]】単語。