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EBウイルス[イービーウイルス]🔗🔉

EBウイルス[イービーウイルス] 【英】EB virus, Epstein-Barr virus(EBV) バーキットリンパ腫の組織を培養した細胞から分離されたウイルス.EBウイルスの名称はリンパ腫の培養を行い,その細胞内に電子顕微鏡的にヘルペスウイルス粒子を発見したEpsteinとBarrに因む.分類上はガンマヘルペスウイルス亜科に属する.ヒトのB細胞を標的として感染しトランスフォームさせる.細胞変性効果を示す細胞系は知られていない.感染の結果得られるリンパ芽球様細胞にはEBウイルスを産生する株としない株がある.EBウイルス感染B細胞では,カプシド抗原,早期抗原,膜抗原,核抗原(EBNA),表面抗原,リンパ球認識膜抗原などの抗原が証明され,EBウイルス感染のマーカーとなる.幼児の感染は不顕性感染であるが,思春期の初感染では伝染性単核症を発症する.これは欧米人に多く,日本人には少ない.アフリカの高温多湿地帯の小児に好発する悪性リンパ腫であるバーキットリンパ腫および中国を出身地とする成人の後鼻腔に好発する上皮腫(鼻咽頭癌)の原因と考えられている.また,本ウイルスの初感染は伴性劣性リンパ球増多症候群X-linked recessive lymphoproliferative syndrome(XLP)発症要因となるという報告がある(Michael Anthony Epsteinはイギリスの医師,1921生;Yvonne M.Barrはイギリスのウイルス学者).→EBウイルス感染症

南山堂医学大辞典 ページ 448 でのEBウイルス[イービーウイルス]単語。