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先天性股関節脱臼[センテンセイコカンセツダッキュウ]🔗🔉

先天性股関節脱臼[センテンセイコカンセツダッキュウ] 【英】congenital dislocation of the hip(CDH) 【独】angeborene Hftgelenkluxation 【仏】luxation congnitale de la hanche 【ラ】luxatio coxae congenita(LCC) 特別の外傷や感染とは関係なく,大腿骨頭が脱臼している場合,先天性股関節脱臼という.病因論についてはなお不明な点も多く,最近では新生児の取り扱い,おむつの当て方などの指導により明らかに発症率の低下をみている.女子と男子との罹患は9:1くらいといわれ,圧倒的に女子に多くみられる.先天性股関節脱臼の範畴に,通常は完全脱臼のほか,亜脱臼や臼蓋形成不全acetabular dysplasiaも含めている.〔症状〕 生後間もない新生児では,関節弛緩の所見(Ortolani, Barlow徴候)があり,乳幼児では患側下肢の見せかけの短縮,開排制限,坐骨結節・大転子の位置関係の乱れ(正常では開排位で大転子と坐骨結節が同一レベルにあるが,脱臼すると大転子が後方へ移動する),大腿骨の突きあげや引き下げでの異常移動性(telescoping sign)などがみられる.歩行開始後に発見された症例では,これらの所見に加えて跛(は)行がみられ,トレンデレンブルグ現象Trendelenburg phenomenonがあらわれる.〔診断〕 上述の臨床所見や3〜4ヵ月以降の乳幼児ではX線所見により診断する.〔治療〕 早期発見・早期治療が原則で, Riemenbgel法(アブミバンド法)が主体をなしている.これにより整復が得られない場合には,一定期間あけてのち再びRiemenbgelを装着してみたり,麻酔下での無理のない徒手整復を試みてみる.偽整復であったり,整復困難の場合には観血的整復を行う.

南山堂医学大辞典 ページ 4384 での先天性股関節脱臼[センテンセイコカンセツダッキュウ]単語。