睡眠障害[スイミンショウガイ]🔗⭐🔉振
睡眠障害[スイミンショウガイ]
【英】sleep disorder
【独】Schlafst
rung
【仏】trouble de sommeil
睡眠障害には原因,睡眠の量とリズムなど異なった多様な疾患が含まれており,睡眠障害の国際分類がDSM-IVやICD-10,睡眠障害国際分類International Classification of Sleep Disorders(ICSD)などで試みられている.睡眠障害はおおむね内因性睡眠障害intrinsic sleep disorders,不適切な睡眠衛生,環境の影響,夜間水分摂取,薬物などに起因する外因性睡眠障害extrinsic sleep disorders,睡眠障害の随伴症状,精神障害や内科的障害に伴う睡眠障害などがある.内因性睡眠障害の代表的なものはストレスに対する慢性的な身体の緊張による精神生理性不眠,軽度の不眠で客観性に乏しく主観的な訴えのみが強い睡眠愁訴症候群,短時間の睡眠発作,情動脱力発作,睡眠麻痺sleep paralysis,入眠時幻覚があり,入眠時レム睡眠が特徴的なナルコレプシー*,クライネ・レヴィン症候群*,周期性過眠症periodic hypersomniaなど過眠が反復するもの,ピックウィック症候群*などの睡眠〔時〕無呼吸症候群*である.しかし,クライネ・レヴィン症候群,周期性過眠症などにみられる反復性の過眠では傾眠期に幻覚,いらいら,攻撃性,性的活動亢進,一過性の不眠がみられることから,これらは睡眠の障害というよりは間脳の機能不全に基づく軽い意識障害とみられている.精神障害についていえば,ほとんどの精神障害が睡眠障害を伴う.不安性障害は過度の不安や予期不安により入眠困難,睡眠持続障害が生ずる.うつ病では入眠困難,入眠持続障害,早朝覚醒と朝方の抑うつ気分が特徴である.一方,躁病では睡眠時間が短縮しながらそれを全く苦にせず爽快感が強い.うつ病の場合,寛解後でも覚醒回数が多く,深睡眠相が少ない傾向にある.精神分裂病の場合も中途覚醒,浅睡眠相の増大がよく生ずる.急性期では入眠困難と長時間の中途覚醒がみられる.リズムに関するものとしては交代勤務睡眠障害shift work sleep disorderやバイオリズムの障害による睡眠相後退症候群などがある.

南山堂医学大辞典 ページ 3985 での【睡眠障害[スイミンショウガイ]】単語。