髄液圧低下症[ズイエキアツテイカショウ]🔗⭐🔉振
髄液圧低下症[ズイエキアツテイカショウ]
【英】intracranial hypotension syndrome
【独】hypotensives Liquordruksyndrom
【仏】syndrome de l'hypotension intracranienne
《同義語》低髄液圧症low cerebrospinal fluid pressure syndrome
腰椎穿刺*後の穿刺部からの髄液漏出,頭部外傷,脳室シャント術などにより,髄液圧が低下し,頭痛*などの症状を呈するものをいう.脳萎縮,バルビタール中毒,アジソン病に続発するものや,まれに,本態性のものもある.髄液圧は通常100mmH2O以下となる.主症状は頭痛で髄液圧亢進時の頭痛と性状は類似する.出現部位は一定しない.立位,座位で増悪し,臥位で改善する点が特徴である.機序は,脳を支持する髄液が立位時脊髄へ移動するため,脳の位置ずれ,疼痛を感じる構造物が牽引,圧迫されて生じると考えられる.20 mLの髄液の消失で頭痛は必発する.腰椎穿刺後頭痛の治療としては,安静臥床,積極的な水分補給が有効であるが,新鮮自家血の漏出部硬膜外腔への注入も勧められる.頭痛以外に,悪心・嘔吐,脳神経障害(とくに外転神経),意識障害*を呈する.硬膜下血腫*,脳ヘルニア*が出現することもある.
南山堂医学大辞典 ページ 3924 での【髄液圧低下症[ズイエキアツテイカショウ]】単語。