髄液検査[ズイエキケンサ]🔗⭐🔉振
髄液検査[ズイエキケンサ]
【英】cerebrospinal fluid examination
【独】Untersuchung der Cerebrospinalfl
ssigkeit
【仏】examen du liquide c
phalo-rachidien
X線CT・MRIが導入された現在でも,中枢神経系の炎症性疾患(脳炎,髄膜炎)に対する診断・治療効果判定には必須の検査である.通常,左側臥位で両下肢を屈曲させ,局所の消毒・麻酔下に第3〜4(成人)または第4〜5(幼小児)腰椎間で腰椎穿刺*lumbar puncture(spinal tap)を行う.穿刺局所の炎症や脊髄ブロックのとき後頭下穿刺(大槽穿刺)suboccipital punctureを用いる.まず髄液圧(クモ膜下腔圧)上昇の有無を調べる(髄液圧測定cerebrospinal fluid pressure measurement).患者に緊張を解くよう指示し,両下肢を伸ばし腹圧を解除した状態で,髄液を穿刺針に連結したガラス管に導き測定する.正常値は初圧70〜180mmH2Oであり,200mmH2O以上は病的上昇と判定する.初圧測定後必要最少量の髄液を採取する.明らかな圧上昇時はガラス管にたまった髄液以上の採取を控える.また癒着性クモ膜炎*など脊髄レベルの髄液通過障害を疑った場合,クェッケンシュテット試験Queckenstedt test(クェッケンシュテット徴候*)を試みる.採取した髄液の性状(外観,細胞数と種類,タンパク,糖,クロールなど)から病態や疾患を明らかにする.禁忌は脳実質内病変による著明な頭蓋内圧亢進*(両側うっ血乳頭),後頭蓋窩腫瘍,穿刺部位の感染・菌血症*・出血性疾患,使用薬剤に対するアレルギーなどがあげられる.髄液採取後は頭痛など低髄液圧症候群intracranial hypotension syndromeを回避するため,1〜2時間の腹臥位安静を保つ.


南山堂医学大辞典 ページ 3924 での【髄液検査[ズイエキケンサ]】単語。