亜急性肝炎[アキュウセイカンエン]🔗⭐🔉振
亜急性肝炎[アキュウセイカンエン]
【英】subacute hepatitis
【独】subakute Hepatitis
【ラ】hepatitis subacuta
Lucke(1946)らはウイルス性肝炎*の剖検例を,発症10日以内に死亡する群と3週以降に死亡する群とに分け,前者をfulminant hepatitis(劇症肝炎*),後者をそのsubacute formと呼び,前者にはない再生現象が後者には存在することを報告した.Tisdale(1963)はfulminant hepatitisと定型的急性肝炎の中間にある肝炎をsubacute hepatitisと呼び,広範壊死とbridge形成を組織学的特徴とした.わが国では「亜急性肝炎とは,急性肝炎の症状が2〜3週間程度続き,次第に精神神経症状,腹水,高度の黄疸,消化管出血などの症状が現れ,しばしば死の転帰をとるもの」(日本消化器病学会,1969年)と定義した.一方,急性型と亜急性型とに分類した劇症肝炎の定義(第12回犬山シンポジウム,1981年)には,「急性型にはLuckeのfulminant hepatitisが含まれ,亜急性型には亜急性肝炎(1969)の一部が含まれる」との(注)を付けた.近年欧米では,fulminant(3週以内),subfulminant(8週以内),late-onset hepatic failure(6ヵ月以内)と分類している.いずれにしても,これらの病態を包含する重症肝炎の概念は,形態学のみならず成因,臨床症状,臨床検査所見,治療法とのかかわり,予後などから総合的に検討されるべきものである.現在はオーバーラップした部分がかなり多いと理解すべきであろう.→急性肝炎
南山堂医学大辞典 ページ 37 での【亜急性肝炎[アキュウセイカンエン]】単語。