腎結石[ジンケッセキ]🔗⭐🔉振
腎結石[ジンケッセキ]
【英】renal calculus, renal stone
【独】Nierenstein
尿中に溶解している物質が析出しそれがさらに凝集,成長し結石となる.尿路内(腎盂,腎杯)にできたものを腎結石といい,X線で腎実質に認める腎石灰化症nephrocalcinosis(腎石灰沈着症*)と区別する.生涯罹患率は100人中4人といわれ,40歳代にピークがみられる.男女比では年々女性の割合がふえ,2.5:1である.職業別では医療従事者,事務従事者に多い.尿管結石では激しい仙痛発作をきたすことが多いが腎結石では腎盂内の可動結石以外は腎部の鈍痛程度である.しかし結石が腎盂尿管移行部に嵌頓すると仙痛発作がみられる.時に肉眼的血尿となる.消化器症状を訴えて受診し腎結石がみつかることも珍しくない.診断には単純X線撮影,経静脈性腎盂造影(IVP, DIP)が有用であるがX線像で結石陰影が不明瞭な尿酸結石,シスチン結石にはCT,超音波検査が必要である.腎結石では尿管結石に比べて水腎症の程度が軽い場合が多い.腎杯結石calyceal calculusでは必ずしも結石を摘出する必要がないが,疼痛,発熱,血尿が続くときには手術の適応となる.時に腎杯憩室内に発生した結石もあり,この際には腎杯憩室の悪性変化を伴うこともあるので注意を要する.また,腎盂結石renal pelvic calculusでも長期間結石が存在していたときには扁平上皮癌*が併発することがある.結石形成に対し原因を探るため血清Ca, P,尿酸,24時間尿化学などをチェックすることが重要である.
南山堂医学大辞典 ページ 3732 での【腎結石[ジンケッセキ]】単語。