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人格変化[ジンカクヘンカ]🔗🔉

人格変化[ジンカクヘンカ] 【英】personality change 【独】Persnlichkeitsvernderung 【仏】changement de la personalit 《同義語》性格変化change of character, Charactervernderung かつては性格変化Charaktervernderungと呼ばれたが,最近の精神医学における人格概念による性格概念の吸収により表題の呼び方がなされるようになった.パーソナリティー障害personality disorderと呼ばれることも少なくない.本来の性格なり人格なりが精神疾患を経過することによって変容することをさす.一般に人格水準の低下をきたし,現実の環境への適応がより不完全になり,内的衝動(欲求,感情,願望など)への対応がより幼児的な方向を示す.種々の精神障害にみられる.まず,精神分裂病性の人格変化では,自閉,孤立,感情の鈍麻や平板化,思考の貧困化などがさまざまな程度に出現する.情動興奮や幻覚妄想などを伴う人格解体の後に生じることが多いが,最初から人格変化を主要症状にする例も少なくない.次いで,脳器質性病変をもとに起こってくる人格変化がある.脳損傷の程度にもよるが,痴呆性変化を基盤に病前性格の先鋭化や人格水準の低下,意欲の低下や高揚,抑制の消失,上機嫌,不機嫌,繊細さの消失,高等感情の障害,子どもっぽさ,固執傾向などがみられる.また,執拗,粘着,攻撃などを主徴にするてんかん性人格変化epileptic personality changeも有名である.さらに老化による人格変化,ことに病前の性格の先鋭化もしばしば指摘されている.さらにまた神経症水準の病態にみられる人格変化も忘れてはならない.多重人格障害multiple personality disorder(→人格解離)のときにみられるいくつかの人格の間で生じる変化のときもこの言葉が使用されることがある.また,ある特定の現実的な出来事(外傷体験)の影響を受けて一過性の情緒ないしは行動の変化にとどまらず,人格そのものに変化をきたすことも少なくない.外傷体験が若年であるほど人格に刻み込まれる可能性は高い.

南山堂医学大辞典 ページ 3671 での人格変化[ジンカクヘンカ]単語。