小脳扁桃嵌頓[ショウノウヘントウカントン]🔗⭐🔉振
小脳扁桃嵌頓[ショウノウヘントウカントン]
【英】tonsillar herniation
【独】tonsillare Einklemmung
【仏】engagement c
r
belleux
《同義語》大〔後頭〕孔嵌頓foraminal herniation
後頭蓋窩の腫瘍や出血によりテント下腔の圧が高くなり,小脳扁桃が下方に圧し出され大後頭孔(大孔)に嵌入した状態をいう.また,テント上占拠性病変が進行し,テント切痕ヘルニアを生じ,さらに圧が下方に及び二次的に生ずることもある.テント下病変により小脳扁桃ヘルニアを生じた場合,延髄の呼吸中枢が障害され,自発呼吸が消失する.意識が消失する前に呼吸停止を生ずることがある.後頭蓋窩の占拠性病変に際し,不用意に腰椎穿刺を行い髄液を排除すると生じやすいことが古くから知られている.無呼吸を生じたら,きわめて迅速に処置を行わないと救命できない.ただちに気管内挿管を行い,通常は閉塞性水頭症を伴っているので,側脳室穿刺・外髄液ドレナージ・髄液シャントなどを行い,できれば原病巣の処置を行う.内圧亢進の進行が緩徐で,しかも大孔が広い場合,小脳扁桃が下方偏位していても,延髄圧迫症状を生じていないこともある.


南山堂医学大辞典 ページ 3547 での【小脳扁桃嵌頓[ショウノウヘントウカントン]】単語。