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自然放射線[シゼンホウシャセン]🔗🔉

自然放射線[シゼンホウシャセン] 【英】natural radiation 【独】natrliche Strahlen 太古より自然界に存在している放射線をいう.宇宙線,大地放射線terrestrial radiation,摂取された食品中の放射性物質からの放射線および吸入された空気中の放射性物質からの放射線に分けられる.人が受ける自然放射線の線量は,その人の住んでいる場所や居住環境によって異なるが,1982年国連報告によれば平均的には年間2 mSv(200 mrem)程度である.そのうち宇宙線の寄与は年間0.30 mSv(30 mrem)程度であるが,海面からの高さや緯度に左右される.大地放射線の寄与は,平均的には年間0.35 mSv(35 mrem)程度であるが,ある限られた地域では年間10 mSv(1 rem)を超えるところがある.食品中に含まれる40Kなどの放射性物質の体内摂取による内部被曝internal irradiationは,年間0.44 mSv(44 mrem)程度であるが,大気中のラドンRnおよびその娘核種などの吸入による内部被曝は0.90 mSv(90 mrem)に達する.近年の技術開発により,人が受ける自然放射線の線量は増加しつつある.航空機内での宇宙線被曝,ある種の建材による家屋内でのラドン,およびその娘核種の吸入などがその原因となっている.

南山堂医学大辞典 ページ 3145 での自然放射線[シゼンホウシャセン]単語。