自己免疫性肝炎[ジコメンエキセイカンエン]🔗⭐🔉振
自己免疫性肝炎[ジコメンエキセイカンエン]
【英】autoimmune hepatitis
肝臓における自己免疫反応の持続が進行性の肝細胞破壊の原因となっている慢性のびまん性炎症性肝疾患.Mackay(1965)の提唱したlupoid hepatitis(類狼瘡肝炎*)に代表される肝炎で女性に多い.わが国では,ウイルスの関与が否定できて,γ-グロブリン2.5 g/dL以上(またはIgG 2,500mg/dL以上)を示し,LE細胞現象*陽性(または,抗核抗体もしくはLEテスト陽性)で,持続性または反復性に血清トランスアミナーゼ活性が上昇するものと規定されている(厚生省難治性肝炎調査研究班,1992年).その際,副所見として発熱,関節痛,発疹などの全身症状を認め,膠原病*を含む自己免疫性疾患を合併する.赤沈亢進あるいはCRP陽性を示し,かつ著明な形質細胞浸潤と肝細胞壊死所見が目立つ慢性肝炎*,肝硬変*の組織像を呈する例を確診としている.欧米では,古典的なautoimmune chronic active hepatitis(AI-CAH)を“Type 1”と呼び,より若年に発症して早期に肝硬変に至ることが多いLKM-1抗体(肝腎ミトコンドリア抗体)陽性のものを “Type 2” とした.最近は,HCV抗体陽性例の取り扱いに新たな問題が生じている.
南山堂医学大辞典 ページ 3081 での【自己免疫性肝炎[ジコメンエキセイカンエン]】単語。