子宮外妊娠[シキュウガイニンシン]🔗🔉

子宮外妊娠[シキュウガイニンシン] 【英】extra uterine pregnancy 【独】Extrauterinschwangerschaft 【仏】grossesse extra-utrine 【ラ】graviditas extrauterina 《同義語》異所性妊娠ectopic pregnancy 受精卵が正常の着床部位である子宮腔以外の場所に着床したものを子宮外妊娠といい,大部分は卵管妊娠であるが,まれに卵巣妊娠ovarian pregnancy,腹膜妊娠が認められる.〔卵管妊娠〕卵管内の着床部位により膨大部妊娠,峡部妊娠,間質部妊娠に分類されるが,間質部妊娠はまれである.狭い卵管腔内での妊卵の増殖,増大は困難であり,また卵管内膜は子宮内腔に比して薄いため絨毛組織は容易に筋層内に侵入してこれを破壊するので,卵管妊娠が後半期まで持続することはまれであり,ほとんどすべて妊娠12週頃までに中絶する.中絶の形式には卵管流産と卵管破裂がある.中絶時の出血は卵管破裂の場合に多く,次第に卵管内,卵管子宮周囲,ダグラス窩などに血腫を形成するが,一般に腹腔内血液は凝固しがたく,長期間にわたってその一部は流動性を保つ.流産あるいは破裂により胎児は多く死亡し,次第に変性,吸収されるが,まれには絨毛および卵膜に包まれたまま腹腔内に転移し,腹膜面に着床して発育を続ける続発腹膜妊娠となる.卵管妊娠の診断は中絶前にはきわめて困難であるが,妊娠徴候がありながら超音波診断法によって子宮内にGS(gestational sac;胎嚢)または胎児を認めない時あるいは子宮内容除去術により絨毛または胎児を見出さない場合は本疾患を疑う.中絶時の症状として重要なものは激しい下腹痛と腹腔内出血による急性貧血症状である.大部分は外出血も伴うがこれは通常少量で持続的である.一般に卵管破裂では外出血の量からは考えられないほどその症状が急激かつ重篤であり,疼痛と出血のためショック状態に陥ることも少なくない.卵管流産では症状が軽いことが多く,ときには緩和な経過をとり,診断が困難なことがある.ダグラス窩穿刺により暗赤色,流動性で凝固しがたい血液を証明することは診断上重要な価値を有する.鋭敏な妊娠反応より尿中hCGが検出される.子宮卵管造影法も補助的診断法として用いられることがある.治療は直ちに開腹して患側卵管を摘除するのが原則である.ショック症状の強いときは補液,輸血により一般状態の改善をはかった後手術する.卵巣妊娠は卵胞内あるいは卵巣表面で卵が受精着床するものであるが,いずれもきわめてまれである.卵管妊娠が破裂・流産する前に診断できれば,内視鏡(腹腔鏡)による卵管保存手術を行う.methotrexate(MTX)の局所治療も可能である.

南山堂医学大辞典 ページ 3011 での子宮外妊娠[シキュウガイニンシン]単語。