三叉神経痛[サンサシンケイツウ]🔗⭐🔉振
三叉神経痛[サンサシンケイツウ]
【英】trigeminal neuralgia
【独】Trigeminusneuralgie
【仏】n
vralgie trig
min
e, tic douloureux
【ラ】neuralgia trigeminus
《同義語》フォサギル神経痛Fothergill's neuralgia
三叉神経*領域に激しい疼痛発作をきたす状態で,本態性のものと症候性のものとに分けられているが,その区別が不可能な症例も少なくない.本態性とされるものは,1〜2秒の激痛発作が一側の三叉神経の分枝領域(第2枝・第3枝が普通,第1枝はまれ)に生じ,不快感が数秒続いて忽然と症状が消失することが特徴的である.中年以上に発症し,女性に多く,通常緩徐進行性である.鼻唇溝口や口腔内粘膜に疼痛誘発帯trigger zoneが存在し,このため,洗面,歯ブラシの使用,会話,咀嚼などによって疼痛発作が誘発され,重症例では洗面,ひげ剃り,摂食などが困難になることがある.発作間欠期には,他覚的な異常所見は認められない.近年,その病態として小血管が三叉神経根部を圧迫して疼痛発作をきたすとの考え(神経血管説neuro-vascular theory)が提出され,三叉神経からその圧迫血管を離す手術(ジャネッタ法Jannetta operation)がとられ,かなり高い手術成果があげられているが,このような異常な血管が見出されない症例もある.薬物による対症療法としては,carbamazepineやphenytoinなどの抗痙攣薬が有効で,ビタミンB12の大量注射療法も行われている.症候性のものは帯状ヘルペス後神経痛(第1枝に好発),動脈瘤,腫瘍による圧迫などがあり,この場合は一般に疼痛は非発作性で,その持続が長い.本態性のものも病態上はほとんどが症候性と考えられ,両者の区別が不可能な症例が存在することは上述のとおりである.



南山堂医学大辞典 ページ 2900 での【三叉神経痛[サンサシンケイツウ]】単語。