細胞性免疫[サイボウセイメンエキ]🔗⭐🔉振
細胞性免疫[サイボウセイメンエキ]
【英】cellular immunity
【独】zellul
re Immunit
t
【仏】immunit
cellulaire
《同義語》細胞媒介性免疫反応cell-mediated immunity(CMI), immunit
au moyen des cellules, zellvermittelte Immunit
t,ツベルクリン型免疫,胸腺依存型免疫,細胞性過敏症
免疫反応は液性抗体による体液性免疫*humoral immunityとリンパ球による細胞性免疫に大別される.細胞性免疫は血清抗体では他個体に移入されず,Tリンパ球(T細胞*)で伝達される特異的獲得免疫を指し,遅延型アレルギー反応や同種移植拒絶反応などが代表的である.細胞性免疫の効果発現は感作T細胞亜群(CD4抗原陽性)から放出されるリンホカイン*によって起こる細胞,組織の反応と,抗原特異的キラーT細胞(CD8抗原陽性)による細胞傷害が主役である.リンホカインのうちマクロファージ活性化因子(インターフェロンγ)は細胞内寄生体(リステリア,サルモネラ,結核菌など)の静菌作用とマクロファージ*の細胞傷害作用を増強する.マクロファージ遊走因子および遊走阻止因子はマクロファージの炎症部位への集積に関与する.トランスファー因子は真菌感染防御作用をもち,インターフェロンγはマクロファージのほか,T細胞,NK細胞の作用を増強し,IL-2*はリンパ球の増殖と反応の増強に役立つ.また,皮膚反応因子は炎症反応を引き起こす.キラーT細胞*はウイルス感染細胞,同種移植片や腫瘍細胞*の排除,自己免疫性組織破壊の一部などに重要な役割を果たす.このように細胞性免疫は抗体の関与が少ないウイルス,真菌,ある種の細菌,原虫などの感染防御,遅延型アレルギー反応,移植免疫*,腫瘍免疫などの主役と,自己免疫反応の一部を担っている.





南山堂医学大辞典 ページ 2796 での【細胞性免疫[サイボウセイメンエキ]】単語。