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細菌性食中毒[サイキンセイショクチュウドク]🔗🔉

細菌性食中毒[サイキンセイショクチュウドク] 【英】bacterial food poisoning 【独】bakterielle Speisevergiftung 特定の生きた細菌ないしはその産生した毒素を含む飲食物を摂取することにより起こる急性中毒症状をいう.従来,原因によって感染型と毒素型に類別されているが,必ずしも明確に区別されうるものではない.感染型:飲食物中に混入増殖した原因細菌が胃腸管内でさらに増殖することにより急性胃腸炎症状が引き起こされるもので,発症には大量の生菌の摂取が必要.一種の終末感染である.一般には潜伏期は8〜24時間を要し,通常,胃腸症状のほか発熱を示す.原因菌は腸炎ビブリオサルモネラ病原性大腸菌ウェルシュ菌セレウス菌,non-O1Vibrio choleraeCampylobacter jejuni/coliYersinia enterocoliticaAeromonas hydrophila, A.sobria, Plesiomonasshigelloides, Vibrio mimicusなどがある.毒素型:食品内で菌が増殖する際に生ずる毒素によって消化器や神経組織に害を与えて起こる中毒症状である.ブドウ球菌の場合は耐熱性のエンテロトキシンによるもので,潜伏期は短く(通常2〜4時間)胃腸症状を主とし,発熱は通常はみられない.ボツリヌス菌の場合は摂食後1〜2日で発病し,種々の麻痺症状を示し,致命率が高い.このほかセレウス菌などがあげられる.〔わが国の近年の発生状況〕 原因菌では欧米に比し,魚介類の多食による腸炎ビブリオの著しい多発が特徴で,次いでブドウ球菌,病原性大腸菌,サルモネラが多い.多発時期は7〜9月である.原因食品では,魚介類とその加工品が最も多く,次いで穀類とその加工品,複合調理品などである.→毒素型細菌性食中毒

南山堂医学大辞典 ページ 2731 での細菌性食中毒[サイキンセイショクチュウドク]単語。