骨盤[コツバン]🔗⭐🔉振
骨盤[コツバン]
【英】pelvis
【独】Becken
【仏】bassin
【ラ】pelvis
寛骨・仙骨・尾骨によって構成され,形が水盤に似るのでこの名がある.体幹と下肢の連結部にあり,上方は仙骨底により第5腰椎と,下方は寛骨臼により大腿骨頭と関節する.仙骨の岬角・腸骨の弓状線・恥骨櫛・恥骨稜によって作られる分界線により,上方の大骨盤と下方の小骨盤とに分けられる.大骨盤は主として腸骨翼により形成される部分で,その内部には腹部内臓の一部を入れている.小骨盤は腸骨体・坐骨・恥骨・仙骨・尾骨からなるが,仙骨と坐骨棘間には仙棘靱帯,仙骨と坐骨結節間には仙結節靱帯があって,仙棘靱帯の上下に大坐骨孔と小坐骨孔とを作っている.小骨盤の内腔(骨盤腔)にはいわゆる骨盤内臓を入れ,女子では骨盤腔が産道となる.分界線で囲まれるハート形の骨盤上口の正中前後径(解剖学的真結合線)は岬角から恥骨結合後面までの最短距離(産科学的真結合線)より少し長い.また骨盤上口の前後径(真結合線*)は横径より短いが,骨盤下口の前後径は横径より長い.解剖学的真結合線の前後方向の傾斜を骨盤傾斜という.骨盤上口と骨盤下口の各中心点を通り,仙骨の凹弯におおむね対応する骨盤腔の軸が骨盤軸で,前方に凹の曲線で表される.小骨盤の形は比較的性差が著しく,男子は短い円錐,女子は長い円錐の上部を切り落として残りを倒立させた形にたとえられる.骨盤下口を閉じている軟部を会陰*(解剖学的会陰)と呼ぶ.→小骨盤
南山堂医学大辞典 ページ 2629 での【骨盤[コツバン]】単語。