骨軟化症[コツナンカショウ]🔗⭐🔉振
骨軟化症[コツナンカショウ]
【英】osteomalacia
【独】Osteomalazie
【仏】ostomalacie
何らかの病因で骨組織へのカルシウム沈着障害をきたす疾患群で,この障害が骨端発育線閉鎖後の成人に生じた場合を骨軟化症という.小児に生じた場合がくる(佝僂)病*であり成長障害を伴う.骨形成はまず有機質による骨基質が形成され,次いでカルシウム塩の沈着が起こって完成されるが,骨軟化症では後者が障害されるため多量の類骨osteoidが形成される.ビタミンDが骨基質へのカルシウム沈着や腸管よりのカルシウム吸収に大きく関与するため,骨軟化症を呈する疾患にはビタミンD代謝障害を生じているものが多い.すなわちビタミンD欠乏*や腸・膵疾患,胃切除後のビタミンD吸収不全,肝障害によるビタミンD活性化の障害,腎障害によるビタミンD活性化障害などがある.またリンの吸収,再吸収障害を生じていると思われる原発性低リン血症や,抗痙攣薬の長期服用によっても骨軟化症を起こす.X線像は骨萎縮と骨軸に直角に走る透明帯(ルーザー骨改変層*Umbauzone, pseudofracture)である.後者は骨軟化症に特有で,恥骨,坐骨,肋骨,大腿骨頚部に好発する.
南山堂医学大辞典 ページ 2624 での【骨軟化症[コツナンカショウ]】単語。