骨粗鬆症[コツソショウショウ]🔗⭐🔉振
骨粗鬆症[コツソショウショウ]
【英】osteoporosis
【独】Osteoporose
【仏】ost
oporose
《同義語》オステオポローシス,骨多孔症
骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう.骨はたえず吸収,形成されているものであり,したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる.最も多い老人性骨粗鬆症senile osteoporosisは正常より骨形成が低下して骨量が減少する低回転骨粗鬆症であり,上皮小体機能亢進症では正常より骨吸収が促進されて骨量が減少する高回転骨粗鬆症である.これらのほかにも種々な疾患で骨粗鬆をきたす.内分泌疾患では甲状腺機能亢進症*,性腺機能低下症*,クッシング症候群*などがあり,遺伝性疾患としては骨形成不全症,ホモシスチン尿症*などがある.骨粗鬆により皮質骨はその幅を減じ骨髄腔は拡大し,海綿骨では骨梁は減少し粗鬆化する.したがって骨の力学的強度も弱化する.臨床的に最も問題となるのは老人性骨粗鬆症で骨粗鬆は加齢と共にその発症率は増大し女性に多くしかも閉経後に急増する(閉経後骨粗鬆症postmenopausale osteoporosis).症状は腰痛が主であり,X線では椎体の横方向の骨梁が減少し,圧迫骨折や魚椎変形をみることが多い.また大腿骨頚部内側骨折でもしばしば骨粗鬆がみられる. 〔治療〕 1)カルシウム剤投与, 2)活性ビタミンD投与, 3)カルシトニン製剤筋注が主である.時にエストロゲン,タンパク同化ホルモンを使用することもある.

南山堂医学大辞典 ページ 2619 での【骨粗鬆症[コツソショウショウ]】単語。